入院ソーシャルナラティブ(ソーシャルストーリー)
前回、低年齢向けのお医者さん解説(クイズ)をアップしました。
今日は続編で、治療が必要で入院するときの説明を書いています。
これは、コロナウイルスの部分を他の病気に変えれば、必要がある場合に応用ができます。
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*「ソーシャルストーリー」について
参考 ソーシャルストーリーTMブック改訂版 入門・文例集
(キャロル・グレイ編著 服巻智子監訳)
簡単にいうと、自閉症スペクトラムの方々の捉え方に合わせて(=理解の仕方に配慮しながら)、社交上の約束事や暗黙の了解について伝える方法です。非自閉症スペクトラムの人々が、自閉症スペクトラムの人に物事を伝える際のマナーでもあります(と私は思います)。
開発者のキャロル・グレイさんやそのお仲間が書いたものは著作権があり、「ソーシャルストーリーTM」とされています。それに倣ってオリジナルのものを書く場合は、区別のために「ソーシャルナラティブ」と称すのが正確なので、私が書いた下記のものは「ソーシャルナラティブ」ですが、「ソーシャルナラティブ」という言い方を知らない方が大多数なので、タイトルには括弧で「ソーシャルストーリー」と補足させてもらっています。
下記の「入院ナラティブ」は、ソーシャル書き方のマニュアルに大まかに乗っ取っています。基本的なルールとして、断言をしないという約束があります(「〜することがあります」「かもしれません」が多用されているのはそのためです)。ただ、最後の一文は、断言してしまいました…それが嫌な方は、「〜治るので、大丈夫と思うようにします」と変えてみてもいいかもしれません。
どなたのために使われるかで、細かなアレンジが必要です。下記はうちの子どものために書いたものですので、「ママ」「ばば」が登場します。成人の方なら、楽しみなことが再びできる、という流れに変えても良いと思います。挿絵も自宅に似たものを選んでいます。必要な方の参考になればと思います。
お医者さんクイズ!発達支援のために
こんにちは!
児童発達支援センターで心理職として働いているmaryです。
7都府県に非常事態宣言が出され、コロナウイルスは他人事ではなくなっています。そのような中、幼い子どもたちのこと、特に発達に支援が必要な子どもたちのことを考えると、
・ 万一のことがあっても、病院に行くとパニックになるかも
・ そもそも、手を洗ってくれない…マスクもつけられない
などなど、一般に言われている対策以上の大人の工夫が必要であると感じます。
万一の時の対応の難しさや、基盤となる予防行動の難しさ、頭を悩ませる保護者の方、支援者の方が多いのではないでしょうか。
検温ができないなども、心配ですよね。
何かできることはないだろうか…との思いから、ここで随時アイディアの発信をしていきたいと思います。自身も、もうすぐ3歳になる子どもがいます。自分が子どもと生活しながら「これは必要だ」と思ったことや、試してみてうまくいったことなど、書いていきたいと思います。
病気に直接関係することだけではなく、家の中で親子だけで過ごす時間が長くなることでのストレスもありますよね。その対処なども考えたいと思います。
まずは、万一の時、極力ストレス少なく病院で検査を受けられるように…
お医者さんは味方だよ!治療は必要なものだよ!ということを知らせるために、
ソーシャルナラティブ(いわゆる、「ソーシャルストーリー」、様々な出来事を自閉症スペクトラムの方に分かりやすい書き方で伝える文章です)を書きました。
が、うちの2歳児にはちょっと不安を煽りそうだなと。
なので、これは印刷だけしておいて、いざという時にすぐ出せるようにしておきます。
(改めて別の記事で紹介します)
うちの子にはこちら。
お医者さんクイズを作りました。
お医者さんは何をする人? どうして注射をするの?
言葉で目的が分かるようになっていれば、導入としてはOKだと思います。
(それでもいざ、になると「怖い」はあるでしょうが…)
やってみた感想。
耳鼻科通いのおかげで、病院大好きな息子。どこの病院もOKです。
が、なぜ通っているのかは知らなかったことが判明しました。
母「○○耳鼻科の○○先生は、何する人なの?」
息子「鼻シューシューする人」
あってはいるけど…「病気を治す」というのは目に見えないので、「鼻シューシュー」という行為しか認識していなかったようです。
改めて、いつものルーティン(繰り返し)による見通しがついているから、いつもの病院は大丈夫なだけなのだと分かりました。
そのルーティンが通用しないのが、新型コロナウイルスの検査や治療なのです…
でも、「医者」=「病気を治す」の一般論に置き換えておけば、少しは見通しにつながるかもしれません。
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まとめ
言葉の理解が3歳くらいであれば、クイズが使えそうです。仮定の話ができるくらいでしょうか?「お腹が空いたらどうする?」に対して、「ご飯を食べる」など答えられるくらいのイメージです。
コロナウイルスについて質問してきたりするようなお子さんは、ソーシャルナラティブが良いように思いますので、別記事をご覧ください。
仮定の話がまだ難しい方だと、お医者さんごっこで「もしもし」「ちっくん」などの言葉と動作を紹介していくことができるかもしれません。